建設業の議事録自動作成|Claude Codeで打合せ記録を下書き化
公開: 2026-08-28 株式会社1ttan
専門工事業の現場監督は、打合せを終えてから議事録を書くまでに時間差がある。移動と次の作業が挟まり、事務所に戻った頃には発言の細部が抜け落ちている。Claude Codeを使えば、打合せ直後の録音やメモをその場で議事録の下書きに変換できる。
議事録作成で一番危険なのは金額に関わる箇所だ。打合せの場で口頭合意したように見える金額を、そのまま確定事項として書いてしまうと、後の見積や請求でズレが生じる。この記事では、Claude Codeで議事録を作りながら金額を確定させないための仕分けルールを説明する。
発注者へ送るメールの最終文面も、Claude Codeが作るのは下書きまでだ。最終的な文面確認と送信は人が行う。この線引きを崩さない運用を、実際のプロンプト例とともに示す。
打合せ後の議事録作成が後回しになる理由
数名から30名規模の専門工事業では、現場監督が現場と事務所を兼務している場合が多い。打合せが終わっても、その足で別の現場に向かうか、資材の手配に追われる。議事録を書く時間は、一日の作業がひと段落してからになる。
時間が経ってから記憶を頼りに書くと、発言の順番や条件の細部を取り違えやすい。特に「概算では」「今のところは」といった留保付きの発言が、書き起こす段階で断定的な表現に変わってしまうことがある。
打合せ中にスマホで録音しておき、打合せ直後にClaude Codeへ渡せば、記憶に頼らず発言そのものから議事録の骨格を作れる。事務所に戻ってから一から思い出して書く手間を減らせる。
Claude Codeに任せられる範囲と任せられない範囲
録音やメモのテキスト化、発言を「決定事項」「確認事項」「次回までの宿題」に仕分ける作業はClaude Codeが得意とする。打合せの流れを整理し、議事録の構成を組み立てるところまでは任せられる。
一方で、専門用語や図面上の名称、数量や金額の桁の聞き取りは誤る場合がある。工事名や仕様の固有名詞は、必ず人が原本の図面や仕様書と突き合わせて確認する必要がある。
誰が何を約束したかという解釈も、AIの推測に頼ってはいけない。議事録案の「確認事項」欄に上げて、発言した本人か同席者に確認を取る運用にする。Claude Codeに任せるのはあくまで下書きまでだ。
打合せ記録から議事録下書きまでの手順
以下は架空データでの実行例である。実際の現場名・金額は含まれていない。
手順の中心は4番目の「要確認」の印だ。Claude Codeに議事録を書かせると、曖昧な発言も文章としては滑らかにまとまってしまう。滑らかさが確定した合意であるかのように見せてしまうため、金額や数量が絡む一文には必ず印を残す指示を出しておく。
- 打合せ中、双方の同意を得た上でスマホの録音アプリを回す
- 打合せ後、録音データかメモをテキスト化してClaude Codeに渡す
- 決定事項・確認事項・次回までの宿題の3つに仕分けた議事録案を作らせる
- 金額や数量に関わる発言には「要確認」の印を必ず付けさせる
- 現場監督が図面・見積書の原本と突き合わせ、要確認箇所を解消する
- 発注者向け報告メールの下書きを作り、送信前に社長か担当者が読んで送る
金額を確定させない仕分けルール
議事録に書いてよいのは「打合せの場でこう発言があった」という事実の記録である。「この金額で決まった」という確定表現は、正式な見積書や注文書が出てから書く。打合せの議事録段階では「協議中」「概算として提示」といった表現にとどめる。
この仕分けをClaude Codeに任せるときは、プロンプトの中で「金額・数量に関する発言はすべて発言者の言葉のまま引用し、断定表現に置き換えない」と明示しておく。指示がないと、文章を整える過程で表現が確定的になりやすい。
発注者への報告メールでも同じ線引きを使う。金額に触れる一文は、議事録の「要確認」欄の内容をそのまま反映し、社内で確認が取れてから送信する。
| 書いてよい表現 | 避ける表現 |
|---|---|
| ◯◯円程度の提示があった | ◯◯円で確定した |
| 数量は現地再測後に確定予定 | 数量は◯◯㎡で決まった |
| 次回までに正式見積を提出する | 次回、正式契約とする |
プロンプト実例
プロンプト例: 「以下は現場打合せの文字起こしです。発言を①決定事項②確認事項③次回までの宿題の3つに仕分けて議事録案を作ってください。金額・数量・工期に関する発言は要約せず発言者の言葉のまま引用し、『決定した』『確定した』のような断定表現は使わないでください。発言者が誰か特定できない箇所は【発言者不明】と明記してください。」
このプロンプトのポイントは、AIに解釈させず、判断が必要な箇所を人に戻す指示を含めていることだ。議事録の完成度よりも、確認漏れを防ぐ設計を優先する。
運用で起きやすい失敗
これらは仕組みの問題ではなく、運用の手順が抜けたときに起きる。議事録案を作る工程と、発注者に送る工程の間に、人による確認を必ず一段挟むことで防げる。
- 録音の同意を取らずに議事録を作り、後で発注者から指摘を受ける
- 要確認の印を外した状態のまま議事録を確定させてしまう
- 固有名詞や図面番号の誤字をそのまま発注者に送ってしまう
- 議事録案をそのまま送信メールの本文に流用し、社内確認の工程を飛ばす
導入の目安
1ttanでは、外壁塗装業向けSaaS「ソトエル」で600社超の登録実績があり、自社の業務でも13本の自動化を運用している(2026年7月時点)。建設業向けにClaude Codeの実装支援も行っている。
議事録の自動化は、録音とテキスト化の環境さえ整えば数日以内に試せる範囲の取り組みだ。まずは1件の打合せで試し、要確認の印がどれだけ機能するかを確認するところから始めるとよい。
よくある質問
Q. 録音を嫌がる発注者にはどう対応するか
A. 録音の目的が議事録の正確性向上であることを事前に伝え、同意が得られない場合は手書きメモをテキスト化する方式に切り替える。
Q. 議事録の最終確認は誰が行うべきか
A. 現場監督が図面・見積の原本と突き合わせ、金額や工期に関わる箇所は社長か契約権限を持つ担当者が最終確認する。
Q. Claude Codeの利用に専門知識は必要か
A. 文字起こしとプロンプトの指示ができれば始められる。プログラミングの知識は必須ではない。
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