塗装業の見積書をAIで作成する方法
公開: 2026-09-11 株式会社1ttan テーマ: 見積・単価 塗装工事業
見積・単価の全体像から読む場合は 見積書AI下書き、建設業の実務手順2026 から。
塗装業の見積作成で時間がかかるのは、拾った数字を単価表と突き合わせて文章化する後工程にある。AIが担えるのは、この後工程の下書き作成までだ。
外壁塗装の見積書には、外壁・屋根の面積に加えて、破風・雨樋・軒天といった付帯部の項目、使用する塗料の缶数計算が入る。項目数が多いほど手作業での転記ミスも増える。この整理をAIにどこまで任せられるか、単価表との突合の手順とプロンプト例で示す。
塗装業の見積作成、何に時間がかかるのか
外壁塗装の見積書は、外壁・屋根の面積だけでなく、破風・軒天・雨樋・シャッターボックスといった付帯部の項目が多い。項目ごとに単価が異なり、面積や個数を単価表に照らして金額を出す作業が積み重なる。
現場調査で拾った数字をExcelや紙のメモから見積ソフトに転記する工程でも時間を取られる。転記のたびに数字を見直す手間があり、社長一人で複数現場の見積を抱えると夜間や休日に作業がずれ込みやすい。
見積書に添える説明文(工法・使用塗料・保証年数の説明)を毎回一から書くことも、地味に時間を奪う要因になる。
面積拾いはAIに任せられない領域
現場写真や図面から外壁・屋根の面積を拾う作業は、AIに任せられない。写真の角度や図面の縮尺によって実際の寸法とずれが出やすく、この誤差は施工後の追加請求や利益の圧迫に直結する。
ここでいうAI活用は、面積拾いそのものを代替する話ではない。人が拾った数字を渡した後、単価表との突合や文章化を任せる話として切り分ける。
付帯部・缶数計算の整理をAIに任せる
拾い出した面積と、使用する塗料の1缶あたり施工可能面積が分かれば、必要缶数の計算はAIに任せやすい。同時に、破風・軒天・雨樋といった付帯部の項目を単価表と照らして見積書の形式に整える作業も任せられる。
缶数計算は下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りを前提に、それぞれの塗料の使用量が異なる点を伝えておく必要がある。この前提を伝え忘れると、AIは1回塗り相当の数字で計算してしまう。
架空データでの実行例|見積書ドラフト作成
架空データでの実行例として、木造2階建ての外壁塗装見積を作成する場面を示す。
プロンプト例: 「延床面積100平米、外壁塗装面積180平米、屋根塗装面積70平米。使用塗料はシリコン系(下塗り・中塗り・上塗りの3回塗り、1缶あたり施工可能面積14平米)。付帯部は破風8m、軒天15平米、雨樋一式。単価表(外壁塗装1平米あたり2800円、屋根塗装1平米あたり3200円、破風1mあたり1500円、軒天1平米あたり1800円、雨樋一式35000円)をもとに、必要缶数と項目別金額の一覧を作成して」
この依頼に対してAIは、面積と単価から項目別の金額と、塗料の必要缶数を計算した一覧を返す。返ってきた数字は、単価表の入力ミスや面積の入れ間違いがそのまま反映されるため、社長が現場データと見積ソフトの数字を照らして確認する。
単価表との突合で事故を防ぐ
AIに単価表を渡すときは、最新版であることを確認してから使う。単価改定を反映し忘れた古い表を渡すと、古い金額のまま見積書ができあがる。
突合の手順として、AIが出した項目別金額の合計と、見積ソフトや過去の類似現場の見積金額を比較する一手間を入れる。大きくずれている項目があれば、単価か面積の入力を疑う。
| 確認項目 | 確認方法 |
|---|---|
| 単価表の版 | 改定日を見積ソフトの単価表と照合 |
| 面積の入力 | 現場調査シートの数字と一致しているか |
| 缶数の計算根拠 | 3回塗り前提で計算されているか |
| 合計金額 | 類似現場の過去実績と比較 |
見積書は下書きまで、金額の最終判断は人
見積書は顧客に提示する金額そのものが載る書類であるため、AIが作った金額と文面は下書きとして扱い、送付前に社長が数字を確認する運用にする。この確認を省くと、誤った金額が顧客に届くリスクをそのまま抱えることになる。
1ttanは外壁塗装業向けSaaS「ソトエル」を600社超に提供しており、見積作成の負担が現場でどう発生するかを日常的に見てきた。その実感からも、金額確認の工程を省略しない設計を勧める。
導入のステップ
まずは1件、実際に抱えている見積案件でAIに項目整理を頼んでみる。単価表を渡す準備さえできれば、その場で試せる。
慣れてきたら、よく使う単価表や塗料の1缶あたり施工可能面積といった固定情報を毎回伝える手間を、Claude Codeでの自動化に回す判断をする。
よくある質問
Q. 面積の拾い出し自体をAIにやらせられるか
A. 写真や図面からの面積拾いはAIに任せられない。人が拾った数字を渡す前提で使う。
Q. 単価表を毎回渡すのは手間ではないか
A. 単価表が固定であれば、Claude Codeでの自動化に切り替えて毎回の入力を省ける。
Q. 見積書はそのまま送ってよいか
A. 送らない。AIが作るのは下書きまでで、金額の最終確認は人が行う。
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