電気工事の安全書類をAIで作成|低圧・高圧の資格突合

公開: 2026-09-18 株式会社1ttan テーマ: 提出書類・安全書類 電気工事業

提出書類・安全書類の全体像から読む場合は 安全書類の下書きをAIに任せ、提出前は人が見る運用 から。

電気工事の安全書類は、低圧・高圧の資格区分によって求める証明書類が変わる。第二種電気工事士、低圧電気工事技術者、高圧電気工事技術者のどれを現場に出すかで、作業員名簿に添付する資格者証の組み合わせが変わり、担当者が毎回台帳と照らし合わせて転記している。

Claude Codeは、作業員名簿と資格者証の情報を読み込んで突合の下書きを作れる。資格の有効期限切れや工事区分とのミスマッチを事前に洗い出す用途に向いている。提出前の最終確認と、原本との照合は人が担う。

元請の指定書式は現場や元請企業ごとに違う。転記のたびに書式を作り直す作業自体を、AIに下書きさせる余地がある。

低圧・高圧で変わる資格要件が書類を重くする

電気工事の従事資格は、低圧か高圧か、一般用か自家用かで区分が分かれる。第二種電気工事士は一般用電気工作物、第一種電気工事士は自家用電気工作物の低圧部分、認定電気工事従事者は自家用の低圧簡易作業、電気主任技術者は高圧・特別高圧の保安監督という具合に、担当できる範囲が資格ごとに決まっている。

元請から求められる安全書類には、作業員名簿のほかに資格者証の写し、特別教育の修了証、場合によっては配置予定の電気主任技術者の選任届が含まれる。現場の電圧区分と作業内容によって必要書類の組み合わせが変わるため、毎回テンプレートを見直す手間が発生する。

数名から30名規模の専門工事業では、この確認作業を社長自身か事務担当1名が兼務していることが多い。現場が重なる時期に台帳と資格者証を照らし合わせる時間が取れず、提出直前にまとめて処理して残業につながるケースがある。

資格の有効期限は更新のタイミングが個人ごとに異なる。名簿を作るたびに全員分の有効期限を目視で確認する作業は、現場数が増えるほど負担が積み上がる。

突合ミスが起きる場面

架空データでの実行例として、作業員10名の名簿と資格者証一覧を用意し、現場の電圧区分(低圧・高圧混在)に対して資格が足りているかを確認する場面を想定する。

低圧作業のみを担当する予定の作業員が、実際の作業範囲では自家用電気工作物の点検を含んでいて第一種電気工事士の資格が必要だった、という食い違いが起きやすい。名簿上は「電気工事士」とだけ記載されていて、種別まで確認していないケースがある。

資格者証の有効期限が名簿作成時点で切れていた、更新講習の受講記録が反映されていなかった、といった見落としも起きる。提出後に元請から指摘を受けて再提出になると、現場の稼働に影響する。

Claude Codeで名簿と資格証を突合する手順

作業員名簿(氏名・資格種別・資格番号・有効期限)と現場ごとの電圧区分・作業内容をテキストまたは表形式で用意し、Claude Codeに読み込ませて突合表の下書きを作らせる。

プロンプト例: 「作業員名簿(氏名・資格種別・有効期限)と、現場の電圧区分・作業内容の一覧を渡すので、資格が作業内容に対して不足している作業員と、有効期限が3か月以内に切れる作業員を一覧にしてください。判断根拠となる法令上の資格区分も併記してください」

この指示で、資格の不足や期限切れの候補をリストアップした下書きが返る。台帳のフォーマットが元請ごとに違う場合も、既存の名簿を読み込ませて指定の書式に転記する下書きを作らせることができる。

下書きの精度は、渡す名簿と資格者証の情報がどれだけ正確かに左右される。資格番号や有効期限の入力自体に誤りがあれば、AIの突合結果もそのまま誤る。

資格の有効期限管理を仕組みにする

名簿のたびに手作業で確認する代わりに、資格者証の情報を一度台帳化しておき、現場が決まるたびにClaude Codeへ現場条件を渡して突合させる運用にすると、確認の手間が現場ごとの入力作業に絞られる。

更新講習の受講予定を台帳に加えておけば、期限が近い作業員を早めに把握できる。更新手続き自体は人が行うが、誰の確認が必要かを洗い出す作業はAIに任せられる。

提出前に人が最終確認すべきこと

AIが作る突合表は下書きであり、資格者証の原本確認、元請の指定書式との細部の整合、提出先ごとの押印・署名要件はAIに任せられない。資格区分の判断が微妙な作業(自家用電気工作物の範囲など)は、最終的に有資格者本人か責任者が確認する。

AIの限界として、名簿に記載のない現場情報(実際の作業内容の詳細)までは正確に汲み取れない。作業内容の記載が曖昧なまま渡すと、資格判定も曖昧になる。提出直前は必ず人の目で最終チェックを入れる。

小さく始める

まず1現場分の名簿と資格者証一覧で試し、AIが出す突合表の精度を確認する。精度に納得できてから、対象現場を広げていく。

1ttanは建設業向けにClaude Codeの実装支援を行っており、社内では自動化を13本運用している(2026年7月時点)。安全書類の突合のような定型的な確認作業は、比較的早く効果を実感しやすい領域である。

よくある質問

Q. 低圧電気工事士と第二種電気工事士は同じ資格か

A. 別の資格である。第二種電気工事士は一般用電気工作物の工事に従事でき、低圧電気工事技術者は自家用電気工作物の低圧部分の保安業務に関わる資格で、対象とする設備が異なる。

Q. AIに資格者証の原本確認を任せられるか

A. 任せられない。AIができるのは名簿情報と現場条件の突合による下書き作成までで、原本確認と最終的な提出判断は人が行う。

Q. 元請ごとに違う書式にも対応できるか

A. 既存の名簿データを読み込ませて指定書式に転記する下書きを作らせることはできる。ただし書式の細部確認は人が行う。

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