近隣挨拶文のプロンプト|工事の現場条件を埋めるだけ

公開: 2026-10-06 株式会社1ttan テーマ: 日報・工程・記録

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近隣挨拶文のプロンプトは、工事の現場条件を埋めるだけで動く形にしておくと、着工前の準備が軽くなる。工事名、期間、作業時間、騒音の出る工程、連絡先。この5項目が決まれば、挨拶文は下書きまで進む。

挨拶文を現場ごとに一から書くと時間を取られ、前回の文面を流用すると日付や工種の直し忘れが起きる。プロンプトに現場条件の欄を作り、毎回その欄だけを書き換える運用にすれば、直し忘れの余地は小さくなる。

配布する文面の最終確認と、近隣への訪問での対話は人が担う。AIが書くのは文面の下書きである。

挨拶文に必要な現場条件は5項目に絞れる

近隣への挨拶文に書く内容は、ほぼ決まっている。誰が、どこで、いつからいつまで、どんな工事をするか。そして迷惑をかける可能性のある時間帯と、困ったときの連絡先である。この骨格を項目に分解すると、現場ごとに変わる部分が見えてくる。

現場ごとに変わるのは、工事名と場所、工期、作業時間帯、騒音や振動や臭気の出る工程、現場責任者の連絡先の5項目である。会社名、挨拶の定型文、お詫びの言い回しは変わらない。変わる部分を欄にして、変わらない部分をプロンプトに固定する。

外壁塗装や防水の現場なら、高圧洗浄の水しぶき、塗料の臭気、足場の組立解体時の金属音が、近隣が気にする典型である。専門工事業ごとに近隣へ影響する工程は違う。この欄は現場の職長が最も正確に書けるため、社長が想像で書かず、現場から聞いたまま入れる。

当社は外壁塗装SaaSの利用登録が600社を超え、塗装工事の工程が見積や写真報告にどう現れるかを見てきた。近隣が知りたいのは、いつ、どの作業で、どんな音や臭いが出るかである。工程名の羅列より、近隣の生活に触れる情報を前に出す。

現場条件テンプレートを作る

テンプレートは、テキストファイル1枚で足りる。Claude Codeを開くフォルダに「genba_joken.md」を置き、5項目を見出しにして、物件ごとに書き換える。書式の凝りは不要で、職長がスマホからでも埋められる単純さを優先する。

欄は、「工事名」「場所(町名まで)」「工期(予定)」「作業時間」「音・振動・臭気が出る工程と時期」「現場責任者の氏名と連絡先」「会社の代表番号」を並べる。個人の携帯番号を挨拶文に載せるかどうかは、会社の方針で先に決めておく。

空欄のまま実行させない仕組みも、プロンプトに書いておく。「空欄の項目があれば、挨拶文を作らずに、足りない項目を質問してください」と指示すると、日付や連絡先の抜けた挨拶文が出回らない。抜けの検知は、AIに任せやすい仕事である。

工期は予定であることを明記する。天候で工期は延びるため、挨拶文には「天候により前後する場合がある」旨を入れる。延びたときの追加の連絡方法(掲示、再訪問、投函)も現場条件の欄に決めておくと、挨拶文の中で伝えられる。

挨拶文プロンプトの実例(架空データでの実行例)

次の例は、架空の塗装工事業者が、架空の住宅の外壁塗装工事で近隣に配る挨拶文を作る、架空データでの実行例である。会社名、住所、人名、電話番号はすべて架空のもので、実在のものとは関係がない。

プロンプト例: 「genba_joken.md の現場条件を読んで、近隣挨拶文を作ってください。読み手は工事現場の両隣と向かい3軒の住民です。丁寧語で、A4で1枚に収めてください。構成は、挨拶、工事の概要、工期と作業時間、音・臭い・水しぶきが出る作業とその時期、駐車や車両の出入りのお願い、お詫び、連絡先の順にしてください。条件に書かれていない事実は書かず、空欄の項目があれば作らずに質問してください。」

架空の現場条件は、工事名「架空邸 外壁塗装工事」、工期は予定として10月中旬から11月上旬、作業時間は午前8時から午後5時、音や臭いの出る工程は足場組立の初日、高圧洗浄の日、塗装期間とした。Claude Codeは、足場の組立日に金属音が出ること、高圧洗浄の日に水が飛ぶこと、塗装期間に塗料の臭いが出ることを、別々の段落に書き分けた。

出力を読んで、人が直すのは主に3点である。工期の日付が現場条件と一致しているか、連絡先の番号が正しいか、お詫びの言い回しが地域の慣習に合っているか。条件にない事実を足さないよう指示していても、言い回しの中に「必ず」「一切」といった意図しない約束が混じることがある。文面は人が1行ずつ現場条件と照らす。

配布前に人が見るチェック項目

文面ができたら、配布前に4点を確認する。表のとおり、確認項目ごとに見る人を決めておくと、全員が全部を見る重複がなくなる。確認は短時間で終わる内容に絞り、チェックリストとして現場事務所に置いておく。

中でも約束の言葉は注意して見たい。AIは丁寧な文面を作ろうとして、「騒音を最小限に抑えます」「ご迷惑をおかけしないよう努めます」といった表現を入れる。守れる範囲を超えた約束は、後で苦情の根拠になる。守れる約束だけを残し、それ以外は具体的な対応(作業時間の厳守、水しぶきの養生)に書き換える。

近隣への訪問は、人が行く。挨拶文を手渡し、不在なら投函し、在宅なら一言話す。話した中で気になる指摘を受けたら、その内容を現場条件の「近隣からの要望」欄に記録する。要望の欄は、次の現場のプロンプトに引き継げる情報になる。

配布の記録も残す。訪問した日付、会えた家、投函した家をメモにして保存しておくと、苦情が出たときに「いつ、誰に挨拶したか」を説明できる。記録の整理は、Claude Codeに「訪問メモを表にして」と頼める。記録の事実は、現場の人間が入力する。

確認項目見る人見る理由
工期・作業時間現場責任者天候や段取りの変更が反映されているかを確かめるため
連絡先の番号現場責任者誤りがあると、苦情の電話が現場に届かないため
約束の言葉(必ず・一切など)社長または担当役員守れない約束を書かないため
訪問先の範囲職長挨拶の漏れが、後の苦情の原因になるため

AIに任せない線:近隣の事情を読む判断

近隣の事情は、文面の中に現れない。夜勤明けで日中に寝ている住民、在宅で介護をしている家、近くの店舗の営業時間、通学路の時間帯。これらは現場を歩いた人しか知らない情報であり、AIは持っていない。

挨拶文の内容を決める前に、現場を歩いて気づいた近隣の事情を現場条件に書き足す。「向かいの家は日中在宅」「北側は保育園の通園路」と書けば、プロンプトはその事情を踏まえた配慮文(作業開始時刻の説明、車両の誘導)を作れる。事情を読み取るのは人、文章にするのはAIである。

トラブルになりかけた近隣への対応は、AIの下書きに任せず、社長か現場責任者が直接話す。苦情の電話に対する返信案をAIに出させることはできるが、謝罪と約束は本人の言葉で行う。この線を越えた使い方は、関係をこじらせる原因になる。

個人情報にも注意する。近隣住民の氏名や住所をAIに渡す必要はない。挨拶文は「近隣の皆様へ」の宛名で足りる。個別の家向けの文面を作る場合も、苗字を記号に置き換えて渡し、出力後に人が差し替える。

現場が増えても回る運用にする

現場が同時に3つ4つ走るときは、現場ごとにフォルダを分けて、同じプロンプトファイルを置く。フォルダ名を物件名にして、現場条件の欄を埋めるだけで挨拶文が出る状態にしておく。現場が増えても、書く量は欄の分だけで済む。

プロンプト本体は共通ファイル「kinrin_aisatsu_prompt.md」に置き、改善はそこだけに加える。「お詫びの言い回しを地域に合わせて柔らかくする」「A4を2枚にして裏面に工程表を載せる」といった変更が、全現場に一度で反映される。

挨拶文に続く文書も同じ型で作れる。工期延長のお知らせ、足場解体のお知らせ、工事完了のお礼である。現場条件の欄に「延長後の工期」「延長の理由」を足すだけで、お知らせの文面が出る。近隣への連絡が途切れないことが、苦情の予防につながる。

当社は自社の自動化を13本(2026年7月時点)動かしている。続いているのは、小さな型を1つ決めて繰り返す仕事である。挨拶文は型が決めやすく、結果を人が確認しやすい。Claude Codeを建設業の書類に使い始める最初の題材に向く。

よくある質問

Q. 手書きで挨拶に回る会社でも使えるか。

A. 使える。下書きを印刷し、手書きの一言を添えて渡す。文面の骨格をAIが作り、近隣への言葉は訪問する人が足す。

Q. 個人の携帯番号を挨拶文に載せてよいか。

A. 会社の方針で先に決める。代表番号と現場責任者の会社用の電話に絞ると、退職や担当替えの影響を受けにくい。

Q. 解体や外構など、塗装以外の工事でも使えるか。

A. 使える。現場条件の「音・振動・臭気が出る工程」の欄に、その工事で近隣に影響する作業を書けばよい。プロンプト本体は共通で使える。

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