熱中症対策計画書をAIで下書きする建設現場の実務

公開: 2026-09-29 株式会社1ttan テーマ: 提出書類・安全書類

提出書類・安全書類の全体像から読む場合は 安全書類の下書きをAIに任せ、提出前は人が見る運用 から。

熱中症対策計画書の提出を求められる現場が増えている。労働安全衛生規則の改正により、暑熱環境で作業する現場では、作業時間・休憩・WBGT値の管理体制を書面で示すことが2026年6月から義務になった。

この計画書はAIで下書きできる。現場の作業内容・作業時間帯・想定気温をプロンプトで渡せば、法令が求める項目を満たしたたたき台が数分で出る。休憩時間の具体的な設定やWBGT基準値の現場への当てはめは、現場を知る人間が確認する。

書類作成に半日かかっていた作業が、現場条件を伝える10分の作業に変わる。書式を整える手間をAIに渡し、現場の判断に使う時間を空けることが、計画書対応の実務になる。

熱中症対策計画書に何が求められているか

労働安全衛生規則の改正で、WBGT28度以上が予想される作業では、事業者は熱中症対策計画書の作成と周知が義務になった。記載項目は作業時間帯の調整、休憩場所と休憩間隔、水分・塩分の補給体制、緊急時の連絡体制など多岐にわたる。

現場ごとに作業内容も気象条件も異なるため、雛形をそのまま使い回すことはできない。現場の実態に合わせて数値と体制を書き換える作業が、毎回発生する。

この書き換え作業に時間がかかることが、現場監督や社長の負担になっている。

計画書の様式は自治体や元請けによって求める書式が違う場合もあり、毎回ゼロから作ると半日仕事になることもある。

AIに任せられる範囲

AIに渡せるのは、作業内容・作業時間帯・想定WBGT・作業員数といった現場条件から、計画書の様式に沿った文章を組み立てる作業だ。項目の抜け漏れを防ぎ、書式を整えるところまでは任せられる。

休憩間隔や水分補給のタイミングをどの数値に設定するかは、現場の暑さと作業内容を知る人間が決める。AIは選択肢を提示できても、現場に合う数値を断定できない。

WBGT値の実測方法や測定機器の設置場所も、AIには判断できない。計画書に書く数値の根拠は、現場の担当者が用意する。

AIが出した文章をそのまま提出せず、現場監督が数値と体制を読み合わせてから提出する運用が実務に合う。

プロンプト実例と架空データでの実行例

架空データでの実行例を示す。外壁塗装工事、作業員6名、8月の炎天下、作業時間8:00〜17:00という条件を設定し、Claude Codeに計画書のたたき台を作らせた。

プロンプト例: 「熱中症対策計画書のたたき台を作成して。工事種別は外壁塗装、作業員6名、工期は8月1日〜8月20日、作業時間は8:00〜17:00。WBGT値は現場実測で28〜31度を想定。休憩は10:00・13:00・15:00の3回、各15分。労働安全衛生規則が求める記載項目を漏れなく含めること。」

出力されたたたき台には、作業時間の調整案、休憩場所の指定欄、緊急連絡先の記入欄が用意された。数値と体制の妥当性は、現場監督が実際の現場条件と照らして確認する。

この実行例は架空データによるものであり、実際の現場では実測値と作業員の申告を反映させたうえで使う。

計画書は見直しが要る書類

計画書は猛暑が続く時期には見直しが必要になる書類だ。一度作って終わりにはできない。

気温が想定より上がった週や、作業員の体調不良が出た日があれば、休憩間隔や作業時間帯を見直す。AIに新しい条件を伝え直せば、改訂版のたたき台はすぐに出せる。

見直しの頻度を上げるほど、書類の内容と現場の実態が近づく。作り直しの手間を減らせることが、AIを使う実利になる。

季節の変わり目や台風後の急な気温上昇にも、条件を伝え直すだけで対応できる点は、紙の書式をゼロから直すより早い。

運用で気をつけること

計画書の最終確認と現場への周知は、AIに任せられない。作業員に内容を説明し、理解を得る作業は人が行う。

過去に作った計画書をAIに読み込ませて、次の現場用に条件だけ差し替える運用にすると、毎回の作成時間を短くできる。

1ttanでは自社でも13本の業務自動化を運用しており(2026年7月時点)、書類のたたき台作成にAIを使う勘所を、建設業向けの実装支援で伝えている。

AIの限界は、現場を見ずに数値を断定できないことだ。計画書に書く休憩間隔とWBGT基準値の妥当性は、現場を確認した人間の判断による。

よくある質問

Q. 熱中症対策計画書の作成はAIだけで完結できるか

A. できない。項目を満たした文章の組み立てはAIに任せられるが、休憩間隔やWBGT基準値の設定、現場への周知は人が担う。

Q. WBGT値の測定もAIに任せられるか

A. 任せられない。WBGT値は現場での実測が必要で、AIは測定値を使った文章化しかできない。

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