外壁塗装工事写真をAIで3点セット整理する

公開: 2026-09-15 株式会社1ttan テーマ: 工事写真・台帳 塗装工事業

工事写真・台帳の全体像から読む場合は 工事写真台帳をAIで自動化する現場の設計 から。

外壁塗装の工事写真は、施工前・施工中・施工後の3点セットをそろえる必要があるため、一般的な工事写真より整理の手間が重い。1つの部位につき3枚がそろっているかを人の目で追う作業は、現場数が増えるほど負担になる。

Claude Codeに黒板の読み取りと3点セットの照合を任せると、そろっている部位とそろっていない部位を機械的に仕分けられる。今回は架空データでの実行例を使い、外壁塗装特有の写真整理をAIでどこまで肩代わりできるかを示す。

外壁塗装の写真整理が重くなる理由

外壁塗装工事では、1つの部位(外壁面・付帯部・シーリングなど)ごとに施工前・施工中・施工後の3点セットで写真を残すことが求められる。工程数も足場架設・高圧洗浄・下地補修・3回塗り(下塗り・中塗り・上塗り)・付帯部塗装と多く、部位×工程の組み合わせで撮影枚数が膨らむ。

撮り終えた写真は黒板の文字(部位・工程・日付)を見てファイル名を付け直し、3点セットがそろっているかを工程表と突き合わせる必要がある。この照合作業は、写真の枚数が増えるほど見落としが起きやすくなる。

現場代理人が撮影から整理まで一人で担っている会社では、3点セットの抜けに提出直前まで気づかないことがある。抜けが見つかった時点で現場はすでに次の工程に進んでいると、撮り直しができない場合も出てくる。

AIにやらせる範囲とやらせない範囲

Claude Codeにやらせるのは、黒板の文字(部位・工程・日付)を読み取ってファイル名に変換する作業と、同じ部位について施工前・中・後の3点がそろっているかを突き合わせる作業だ。そろっていない部位はリストにして未完了扱いにする。

黒板が写っていない、文字がかすれている、逆光で判読できない写真は、無理に読み取らせず未分類に分ける。黒板の文字を推測で埋める処理はさせない。この線引きがないと、誤った部位名や工程名が台帳に紛れ込む。

3点セットがそろっているかどうかの最終判断(撮り直しが必要かどうか)は人が行う。AIが出すのはあくまで「そろっていない部位のリスト」であり、そのリストをもとに現場へ確認を取る工程は省略できない。

架空データでの実行例

架空の外壁塗装現場の写真120枚(黒板あり104枚、黒板なしや判読不能16枚)を想定する。プロンプト例: 「これらの写真の黒板部分を読み取り、『部位_工程_日付.jpg』の形式でリネーム案を出してください。同じ部位について施工前・施工中(下塗り・中塗り・上塗りを含む)・施工後の3点がそろっているかを突き合わせ、そろっていない部位を一覧にしてください。黒板が写っていない、または文字が判読できない写真は未分類としてリストに分けてください。」

この指示に対し、Claude Codeは読み取れた写真についてリネーム案と部位別の仕分け案を出し、3点セットが未完了の部位(たとえば「北面2区画は施工前・中のみで施工後が未撮影」)を一覧にした。判読できない写真は理由を添えて別リストにした。

架空データの実行例では、104枚のうち数枚が付帯部(雨樋・破風板)の黒板文字がかすれており未分類側に回った。付帯部は面積が小さく黒板を近接して撮ることが多いため、ブレの影響を受けやすい。

命名規則とフォルダ構成

リネーム案の形式(部位_工程_日付など)は、会社ごとの提出様式に合わせてプロンプトで指定する。フォルダ構成も、部位別に分けるか工程別に分けるかで台帳への転記のしやすさが変わるため、既存の台帳フォーマットに合わせて決める。

命名規則やフォルダ構成は、運用しながら現場の実情に合わせて微調整していくものだ。付帯部の点数が多い現場では部位の粒度を細かくし、逆に部位数が少ない現場では工程別の並びを優先するなど、現場の性質によって最適な粒度は変わる。

最初に決めた命名規則を固定して動かさないと、現場ごとの差異を吸収できず、かえって台帳が使いにくくなる。プロンプトに命名規則を明記する運用にしておけば、規則を変える際もプロンプトを書き換えるだけで済む。

3点セットの抜け漏れチェック

3点セットの抜けは、工程が進んでからでは撮り直しが効かない場合がある。特に高圧洗浄後や下塗り後の状態は、次の工程が始まると再現できない。AIによる突き合わせは、工程の区切りごとに実施すると抜けの発見が早くなる。

全工程が終わってから一括で突き合わせるより、洗浄後・下塗り後・中塗り後といった節目ごとに未完了部位を確認したほうが、撮り直しが間に合う可能性が高い。運用のタイミングを工程表に合わせて組み込むのがいい。

AIが苦手なこと

黒板の文字が手書きで崩れている場合や、逆光・接写でのブレがある場合の読み取り精度は安定しない。無理に読み取らせるより、未分類に落として人の確認に回したほうが結果的に早い。

写真が施工状況の証拠として適切かどうか(塗膜の状態が写っているか、色ムラが分かる角度かなど)の判断はAIの仕事ではない。あくまで文字の読み取りと3点セットの突き合わせを担うだけだと理解しておく。

運用の型

撮影から台帳登録までの役割分担を、工程表と合わせてあらかじめ決めておくと運用がぶれない。

工程担当
撮影(施工前・中・後)現場(人)
黒板読み取り・リネーム案作成AI
3点セットの突き合わせAI(未完了部位を一覧化)
未完了部位の撮り直し判断
台帳への最終登録人(確認後)

よくある質問

Q. 付帯部(雨樋・破風板など)の写真も同じ仕組みで整理できるか

A. できる。ただし付帯部は黒板を近接して撮ることが多くブレの影響を受けやすいため、未分類に回る割合が外壁面より高くなる傾向がある。

Q. 3点セットの定義(前・中・後の範囲)が現場ごとに違う場合は

A. プロンプトに現場ごとの定義(下塗り後を『中』に含めるかなど)を明記すれば対応できる。定義を毎回指定する手間は残る。

あわせて読む

  • 塗装業の見積書をAIで作成する方法

    塗装業の見積作成に時間がかかる最大の理由は、面積の拾い出しと付帯部・缶数の計算にある。この作業をAIにどこまで任せられるか、単価表との突合手順と塗装業特有の注意点をプロンプト例つきで示す。

  • 塗装工事の施工計画書をAIで下書きする方法

    塗装工事の施工計画書の下書きをAIに作らせる具体的な手順を書いた。足場設置・高圧洗浄・3回塗りという標準工程の組み方と、雨天予備日の入れ方、提出前に現場責任者が確認すべき項目まで、実務目線で詳しく整理して書く。

  • 塗装工事の近隣お知らせ文をAIで作る方法

    塗装工事の近隣お知らせ文をAIで作る具体的な手順。足場の組立音・高圧洗浄の水しぶき・塗料のにおいへの配慮をどう書くか、案内文の下書きから配布前の最終確認までを架空データの実行例つきで示す。

テーマ別の入口記事

新着記事

この記事のようなことを、御社の書式でやりたい方へ

建設業のCLAUDE.mdテンプレートとプロンプト集20本を無料でお渡ししています。御社の業務でどこまでいけるかは、無料経営診断(オンライン60分)でその場で動かしてお見せします。

← 記事一覧に戻る