工事写真台帳をエクセルのまま自動で埋める運用

公開: 2026-09-22 株式会社1ttan テーマ: 工事写真・台帳

工事写真・台帳の全体像から読む場合は 工事写真台帳をAIで自動化する現場の設計 から。

工事写真台帳はエクセルの書式が元請や発注者ごとに固定されている書類である。書式を新しく作り直すと差し戻しの原因になるため、既存のエクセルのセル配置や行の並びを変えずに、中身だけを埋める運用が必要になる。

写真のファイル名や撮影時のメモから、工種・部位・撮影日といった項目を拾い、既存のエクセルの該当セルに自動で埋めていく作業は、AIに渡せる範囲である。書式そのものは変えない前提で運用する。

外壁塗装のSaaSで600社超の登録実績を持ち、自社でも13本の業務自動化を2026年7月時点で運用してきた。工事写真台帳の運用も、既存のエクセル書式を壊さない前提で作っている。

工事写真台帳のエクセルがなぜ崩せないか

工事写真台帳は、元請や発注者が指定したエクセルのフォーマットに写真を割り付けて提出する書類である。セルのサイズ、行の高さ、写真の挿入位置まで指定されていることが多い。

書式を新しく作り直して提出すると、確認する側の元請の手間が増え、差し戻しの原因になる。現場は既存の書式を守ったまま、中身の写真と情報だけを更新し続ける必要がある。

1つの現場で数百枚の写真を扱う工事もある。撮影日・工種・部位ごとに手作業で並べ替え、該当のセルに貼り付ける作業は、台帳の作成の中でも時間がかかる部分である。

写真とメモから埋める項目を洗い出す準備

写真のファイル名に工種や部位を含めて撮影しておくと、AIがその情報を読み取りやすくなる。撮影時に一言メモを添える運用でも同じ効果がある。

既存のエクセル台帳の列見出し(撮影日・工種・部位・工程・備考等)をそのままAIに伝える。列の順番や結合セルの位置も含めて共有しておくと、書式を崩さずに埋められる。

元請への提出実績がある台帳を1本、サンプルとしてAIに見せておく。どのセルにどの情報が入るべきかを、実例で示すほうが指示文だけより正確に伝わる。

エクセルの列埋める担当
撮影日・工種・部位AIがメモから抽出
写真の貼り付けAIが指定セルに配置
最終確認・提出判断

既存の書式のまま埋める手順(架空データでの実行例)

以下は架空データでの実行例である。外壁塗装工事の下地処理と中塗りの写真をそれぞれ数枚と、撮影日・部位を記したメモを用意し、既存のエクセル台帳に埋め込む流れを示す。

プロンプト例: 「添付のエクセル台帳と同じ列の並び・セル結合を保ったまま、次の写真とメモ(下地処理3枚・中塗り2枚、それぞれ撮影日と部位のメモつき)を工種・部位ごとに該当セルへ配置してください。列見出しやセルの書式は変更しないでください」

この指示で、AIは列見出しを新しく作らず、既存のセルに写真と情報を割り付けた台帳を返す。列の結合や行の高さが崩れていないかは、提出前に画面で確認する。

工種や部位の判定がメモから読み取れない写真は、空欄のまま返ってくる。空欄を無理に埋めさせず、人が撮影者に確認してから埋める運用にする。

元請ごとに書式が違う場合の運用

取引先ごとに台帳の書式が違う場合は、元請ごとにサンプルの台帳を1本ずつ用意し、指示文の中でどの書式を使うかを明示する。

同じ現場でも提出先が複数ある工事(発注者用と元請用等)では、中身の写真は同じでも配置する書式が変わる。書式ごとに指示を分けて実行すると、混同を防げる。

AIに任せられない部分

工事写真台帳は施工の証拠として提出する書類であり、どの写真をどの工程の証拠として選ぶかの最終判断は人が行う。AIは既存の書式に写真を配置するところまでで、証拠として十分かどうかの判断はしない。

写真に写っている内容(施工の良否・寸法の妥当性等)をAIが判断することはできない。台帳に貼る前に、写真そのものが工程の証拠として適切かどうかは、現場の人が確認する。

撮影日やメモの誤記をAIがそのまま台帳に反映してしまうことがある。台帳を提出する前に、撮影日と現場の実際の工程日が合っているかを見比べる。

定着させる一歩

まず1現場、1回分の提出台帳だけで試す。既存の書式が崩れていないか、貼り付け位置がずれていないかを、これまでの手作業の台帳と見比べて確認する。

問題がなければ、撮影時のメモの取り方を現場に共有し、次の現場から同じ運用を続ける。写真のファイル名やメモの書き方が揃うほど、AIが埋める精度も安定する。

よくある質問

Q. 写真の枚数が多い現場でも同じ手順で使えるか

A. 使える。ただし一度に渡す枚数が多いと確認の手間も増えるため、工程や部位ごとに分けて渡すと精度の確認がしやすい。

Q. 元請指定の専用ソフトで作る台帳にも使えるか

A. 専用ソフトが独自の入力画面を持つ場合は、そのままでは使えないことがある。ソフトがエクセル出力に対応していれば、出力後のエクセルに同じ手順を使える。

Q. 書式を勝手に変えられてしまうことはないか

A. 指示文で列見出しとセル結合を変更しないよう明示すれば、書式を保ったまま埋められる。仕上がりは提出前に必ず目視で確認する。

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